日本の立春の頃、ノルウェーにも一年の中で最も日の長い日がやって来る。
日本よりさらに北のノルウェーではまだ春の始まりを感じさせるような陽気だ。
ノルウェーの中でも南に位置するオスロでも真夜中に黄昏時のような体験をすることができるのだが、今回は少し足を延ばして北極圏ギリギリのBodø(ボードー)を訪れた。

白夜と極夜、究極の光と闇の世界

白夜と極夜。
日本でも本島に住んでいれば聞き馴染みのない言葉だ。
白夜といえば、一日中お天道様が頭の天辺に近いところを回っていて、極夜といえば、一日中真っ暗闇。
実際のところ想像とは少し違い、より神秘的な時間がそこにはあった。

ノルウェーで白夜を求めて向かうべき場所

白夜で明るい22時のボードー

今回白夜を求めて訪れたのは、港町Bodø(以下ボードー)。
ボードーは北極線をギリギリ超えた先、北極圏内にある小さな町だ。
氷の世界を連想させる北極圏だが、人口5万人強が住むノルウェーの北部で第2位の街で人の活気を感じることができる。
そもそも北極圏とは、北緯66度33分より北のことを指す広い範囲であるため、たくさんの人が住んでいるのだ。
そして、北緯が上がると言うことは、白夜の時期に太陽がより高い位置を通り、極夜の時期には暗闇の時間が長くなると言うことになる。
白夜や極夜を求めるならば、北極線を超えた先の北を目指すのがおすすめだ。

白夜のノルウェー、いつ訪れるのか

白夜を求めてノルウェーを訪れるなら、6月は外せない。
太陽が最も高くなるのは、6月の半ばから後半にかけて。
今回ボードーを訪れたのは8月の初め頃だったが、北極線ギリギリのボードーでは太陽が完全に沈まない状況を見ることは残念ながらできなかった。
ノルウェーへ白夜を求めて訪れるのであれば、6月初め頃から7月の半ば頃がいいだろう。

オスロの白夜と北極圏の白夜

ノルウェーの首都オスロでは、8月の初め頃はすでに夜中は暗くなる。
5月頃から徐々に明るくなり、6月半ばの夏至の時期には、オスロでも真夜中でも黄昏時のような妙な感覚を味わうことができる。
ノルウェー国内でも南に位置するオスロでは、白夜の時期がとても短く、英語で言うところの”Midnight sun”(真夜中の太陽)と言うものを見ることはできない。

茜色の白夜、8月のボードーへ

白夜で茜色に染る空

オスロから更に北西の小さな港町ボードー。
筆者が訪れた日は曇り空。
21時頃に空港に到着したのだが、オスロ空港を出発した時よりもむしろ明るいくらいの夕景が広がる。
友人に車で市内を案内してもらい、最後に連れて行ってもらったのが小高い丘。
キャンピングカーで訪れて、一晩白夜を見ながら過ごす人もいるようだ。

キャンピングカーで白夜を見に来る人たち

22時頃でもまだ太陽が水平線の上にある。
夕日の茜色に包まれて海の向こうの太陽を眺める時間は、ゆったりと穏やかで神秘的。

白夜を堪能するべく、0時頃市内を散策。
市内の公園から見る景色は、黄昏の夕焼けだ。
真夜中の太陽を感じつつ市内を歩いて回るのは、新鮮で不思議な気分だ。

極夜はうつ病になる程過酷…

筆者はまだ体験していないが、北極圏では極夜の時期になると白夜とは真逆で日の昇る時間はもちろん減る
しかしその暗い世界もまたノルウェーの魅力
暗闇の中に現れるオーロラも楽しみにしている

ノルウェーの白夜を求めて北極圏へ

北極線から少し北のボードーで時期を若干外した8月に白夜の神秘に触れた。
ノルウェーはまだ北へ長い。
ヨーロッパ最北端のノールカップ岬ではまた違った白夜が見られることだろう。
美しい白夜を求めノルウェーを訪れるのなら、行ける限りの北を目指そう。

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